コラム

コラム

次の世代へ安心してつないでいくための時間

 

私は30代で3兄弟の末っ子、妻と小さな子どもがいます。実家には60代の父と母、そして90代の祖母が暮らしています。相続手続きをお手伝いする仕事をしていますが、自分自身の家族のことを考えると、相続や終活は決して「仕事」だけの話ではなく、とても身近なテーマだと感じています。

 

先日、実家で家族が集まったときのことです。祖母が昔のアルバムを取り出し、「これはお父さんが小学生の頃の写真だよ」と、楽しそうに話してくれました。その横で父が「この家も古くなったなぁ」と何気なくつぶやくと、母が「もし私たちに何かあったら、この家はどうするの?」と口にしました。

その場は笑い話のように終わりましたが、兄たちも私も、一瞬だけ会話が止まりました。誰も深刻な空気にはしたくなかったものの、「実際にその日が来たら、ちゃんと話し合えるだろうか」と、それぞれが考えていたように思います。

仕事では毎日のように相続手続きに携わっていますが、自分の家族になると「まだ元気だから大丈夫」「その話は縁起でもない」と、つい先送りにしたくなる気持ちもよく分かります。しかし、元気だからこそ落ち着いて話ができるのも事実です。

 

最近の終活は、お墓やお葬式の準備だけではありません。エンディングノートを書いたり、財産を整理したり、スマートフォンやインターネット銀行、SNSなどのデジタル資産を家族が分かるようにまとめておく「デジタル終活」に取り組む方も増えています。

以前、ご相談いただいた方から「父のスマートフォンのロックが解除できず、大切な写真もネット銀行の情報も分からなくて困りました」というお話を伺ったことがあります。このようなケースは決して珍しくなく、今では終活の新しい課題の一つになっています。

また、相続は財産が多いご家庭だけの問題ではありません。「自宅と少しの預貯金しかないから大丈夫」と思われていたご家族が、不動産の分け方や手続きで悩まれることも少なくありません。さらに、不動産の相続登記が義務化されたことで、名義変更を後回しにすることも難しくなっています。

 

私自身、父や母にはいつまでも元気でいてほしいですし、90代の祖母には、これからもひ孫の成長を見守ってほしいと思っています。そして、小さな子どもの寝顔を見るたびに、「将来、この子が困ることのないように、私も今からできる準備をしておこう」と考えるようになりました。

相続は、お金や手続きだけの話ではありません。これまで家族が積み重ねてきた思い出や、大切にしてきたものを、次の世代へ安心してつないでいくための時間でもあります。

「まだ早いかな」と思う今こそ、家族で少しだけ将来について話してみませんか。その何気ない会話が、いつか大切なご家族を守ることにつながるかもしれません。

 

相続安心サポートセンターでは、相続手続きや終活に関するご相談を承っています。一つひとつのご家庭に寄り添いながら、安心して未来へつないでいけるようお手伝いいたします。

相続に関するよくある質問