コラム

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自分の死後、ペットはどうなる?

 

 大阪事務所スタッフの清見です。

 

 私の住んでいる地域は高齢者の方が比較的多く、しかも一人暮らしと見受けられる方が多いような気がします。毎朝、一人で老犬を散歩させている高齢者の方を見かけますが、お互いが特別気にしあうこともなくのんびりと歩いている姿から、ペットは長年連れ添った家族同然の存在であることがうかがわれます。

 

 時折、ペットが莫大な遺産を相続したという海外のニュースを耳にすることがあります。海外の国や地域によっては、ペットに財産を相続させる制度が法律で定められているため、ペットに遺産相続をさせることも認められているそうです。ところが日本の法律においては、家族同然のペットであっても、「物」として扱われており、遺産を相続させることはできません。

 

 ですが、別の方法によって遺産を相続させるのと同じ効果を生む方法があります。遺言書で「負担付遺贈」をするのです。「負担付遺贈」とは、遺贈者(遺言によって贈与する方)が受遺者(遺言によって贈与を受ける方)に対し、財産をあげる代わりに一定の義務を負担してもらう内容の遺贈です。つまり、自分が亡くなったらこの財産をあげるから、ペットの世話をお願いしますね…、ということです。

 

 ただし、遺贈は遺贈者の一方的な意思によって成立しますので、受遺者が拒否することになればペットは行き場をなくしてしまいます。その解決策として、生前贈与や死因贈与をすることが考えられます。こちらは遺贈と異なり、遺贈者と受遺者の贈与契約であるため、拒否される心配がありません。

 

 ただいずれの方法によっても、自分が亡くなった後、受遺者が本当にペットの面倒を見てくれるかどうかは分かりませんし、亡くなった後にはそれを確認することもできません。その不安を解消するためには、遺言執行者を選任しておき、遺言書のとおりペットの面倒を見てもらっているかどうかをチェックしてもらうようにすることもできます。

 

 もはや「人生の伴侶」というべきペット。特に身寄りのない方にとってはかけがえのない存在でしょう。できうる限りのことはしてあげたいものですね。

 

 

2012年11月21日

相続安心サポートセンタースタッフ 清見

 

相続に関するよくある質問