コラム

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あなたの郵便貯金は大丈夫ですか?

 

 平成24年5月12日付、日本経済新聞 朝刊に、興味深い記事が載っていましたので、触れたいと思います。

 

 多くの方が、郵便局の口座をお持ちなのではないかと思います。

 かくいう私も、小さい頃お年玉を預けるため、近所の郵便局で初めて通帳を作ったことを今でも覚えています。母が小学生の頃に簡易保険の契約をしてくれたり、なにかと郵便局にはお世話になったのですが、昔の通帳、一生懸命貯めた定期、そのまま放っておいていたりしていないでしょうか。

 

 郵便局は平成19年10月に民営化されましたが、民営化前の定額郵便貯金や簡易保険が、今危機にさらされているのは御存知でしょうか?実は法律の規定で、定額貯金は満期から20年2ヶ月後、簡易生命保険は満期から5年経過すると、満期金を受取る権利がなくなってしまうのです。郵便局から満期のお知らせを受取った経験がある方なら御存知かもしれませんが、お知らせの中には、しっかり上記のことが記載されています。でも、ついつい満期の利息ばかりが気になって、そこまで読まれていない方も多いかも知れませんね。

 

 記事によると、平成19年から平成22年度に権利が消滅した定額貯金は、なんと約316億円、簡易生命保険は約454億円にのぼるそうです・・・合計770億円。このうち事業費を差し引いた約607億円が、7月までに国に納付されてしまうかもしれないそうです。

 

 「そういえば、昔に郵便局で定期預金作ったかも?!」という方は、すぐに古いお通帳を探してみてください。満期になっているのに受取っていないもの、意外とあるのではないでしょうか。今ならまだ間に合うかもしれません。このままだと満期金を受取る権利がなくなって、大事な財産が国に納められてしまいますよ。

 

 上記は民営化前の郵貯・簡保のお話ですが、銀行の預金や保険など、何かの拍子に作ったものの、今となってはどうなったか分からないもの、結構ありますよね。実は、私たちがお手伝いをする相続手続でも、金融機関や通帳にまつわる問題が多くあります。相続手続をしたいのにどの金融機関を使っていたか分からない、通帳やキャッシュカードをどこに保管しているのか分からない、色んな金融機関のメモが出てきたけれど、数が多くて手続が大変だなど、様々なご相談やご質問を頂戴することが多いのが、金融機関の相続手続なのです。金融機関によっては、口座維持費なる費用がかかるものもありますし、作ったものの眠っている口座があるなと思い当たるなら、金融機関の口座整理をしてみるのをお勧めします。これを機会に、一年に一度くらいは資産の棚卸しをしてみてはいかがでしょうか。

 

記事「郵貯・簡保の睡眠貯金607億円」2012年5月12日付 朝刊

 

 

平成24年9月11日

司法書士 李

 

相続に関するよくある質問