相続の基礎知識

9.年金の遺族給付

9-2 国民年金の遺族給付

 

以下の方が亡くなったとき遺族が受給できる年金、一時金です。

 

・国民年金被保険者(第1号被保険者)

・老齢基礎年金受給者(受給資格期間を満たしている方)

 

(1)遺族基礎年金

 

次の①~③が死亡した場合に、遺族に支払われる国民年金の給付。

 

①国民年金に加入中の人

②国民年金に加入していた人で、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人

③老齢基礎年金を受けている人や受給資格期間を満たしている人

 

 

■支給要件

 

・国民年金の加入者(被保険者)が死亡したとき

・過去に被保険者であった者で、国内に住所がある60歳から65歳未満の者が死亡したとき

・老齢基礎年金の受給権者及び受給資格期間を満たしている者が死亡したとき

 

※ ただし、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あること。

※ ただし、平成28年4月1日前の場合は、死亡日に65歳未満であれば、死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられる。

 

■受給対象者

 

死亡した被保険者に生計を維持されていた以下の遺族に支給されます

①子のある配偶者

②子:(1)18歳の3月末日を経過していない子

(2)20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の未婚の子

注)受給権のある①と②が両方いる場合は、①に全額支給され、②には支給されません。

注)受給対象者が結婚した場合、子が養子になった場合や子の年齢が条件に該当しなくなった場合には受給資格を失います。

 

⇒子のない配偶者は、そもそも遺族基礎年金は受給できないということになります。

 

■年金額 (平成24年度)

 

786,500円+子の加算

第1子・第2子:各226,300円

第3子以降:各75,400円

 

注)子が遺族基礎年金を受給する場合の加算

⇒第2子以降について加算します。

子1人あたりの年金額は、合計額を子どもの数で除した額で算出します。

 

例)受給権のある子どものみ3人がいる場合

(786,500円+226,300円+75,400円)÷3=362,733円

 

■届出先

 

・ 国民年金の第1号保険者期間のみの場合 → 住所地の市区町村役場

・ 厚生年金保険の期間がある場合

ⅰ)在職中に亡くなった場合 → 最後に勤務した会社を管轄する年金事務所

ⅱ)退職後に亡くなった場合 → 住所地を管轄する年金事務所

 

 

(2)寡婦年金

 

 

寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が亡くなられたときに、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計維持されていた妻が受けることができます。

 

■支給対象

 

以下①~③の要件を満たす夫を亡くした妻に、60歳に達した日の属する月の翌月から、65歳に達する日の属する月まで支給されます。

※夫の死亡当時に60歳未満の場合は支給されません。

 

①第1号被保険者としての保険料納付済期間が免除期間と合わせて25年以上を満たしている

②老齢基礎年金の支給を受けておらず、障害基礎年金の受給権を持っていない

③その夫との婚姻期間が10年以上あり、生計を維持されていた

 

ただし、妻が次のいずれかに該当する場合は、65歳になる前に受給権はなくなります。

・死亡、婚姻、直系血族または直系婚族以外の者の養子となったとき

・繰り上げ支給の老齢基礎年金を取得したとき

※ 寡婦年金と死亡一時金の両方の支給条件を満たす場合は、請求するときにいずれかを選択します。

 

■支給額

 

夫の老齢基礎年金額の4分の3(付加年金は加算されません)

※夫が死亡した前月までの第1号被保険者としての被保険者期間のみで計算されます。

(第2号・第3号被保険者期間は計算式に含めない。)

 

例)国民年金に28年加入(免除期間等はなかったと仮定)した夫の死亡で、子供が既に成人している場合

夫の老齢基礎年金額:786,500円※1×(336/480)=550,550円

→ 寡婦年金年額:550,500×(3/4)≒412,900円

※1 保険料納付済期間40年(480ヶ月)を満たしている場合の老齢基礎年金満額支給額(平成25年9月まで)

 

■届出先

 

市町村役場

 

 

(3)死亡一時金

 

死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けることなく亡くなったとき、その方と生計を同じくしていた遺族(①配偶者②子③父母④孫⑤祖父母⑥兄弟姉妹の中で優先順位が高い方)が受けることができます。

 

■支給対象

 

第1号被保険者として保険料納付済期間が3年以上あり、かつ次の条件に該当する者が死亡したとき、生計を同一にしていた一定の範囲の遺族に支給されます。

 

(1)老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも支給を受けたことがないこと

(2)その者の死亡によって遺族基礎年金を受け取ることができる(受給資格がある)遺族がいないこと

 

※「一定の範囲の遺族」= 配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹の順

※死亡一時金と寡婦年金の両方の支給要件を満たす場合は、どちらを受給するか選択できます。

注)死亡後2年を経過すると時効になり請求できません。

 

■支給額

 

保険料納付済期間及び免除期間によって異なるため、都度年金事務所へ問い合わせることをお勧めします。

[保険料納付済期間と一時金の額]

36ヶ月以上180ヶ月未満 120,000円
180ヶ月以上240ヶ月未満 145,000円
240ヶ月以上300ヶ月未満 170,000円
300ヶ月以上360ヶ月未満 220,000円
360ヶ月以上420ヶ月未満 270,000円
420ヶ月以上 320,000円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※付加保険料を36ヶ月以上納めていたときは、8,500円が加算されます

 

■届出先

 

市町村役場