相続の基礎知識

10. 民法相続法

 
 

10-1 民法相続法の改正

 

約40年ぶりに民法相続法が改正されます!
今回の法改正で変わる内容を簡単にまとめると次のとおりです。

 

1、配偶者居住権に関する改正

相続開始時に住んでいる家に、残された配偶者がそのまま住み続けられる権利が新設されることによって、自宅に住み続けることも出来、生活資金もより多く確保できることになります。

 

2、自筆証書遺言に関する改正

自筆証書遺言は全て手書きで作成する必要が必要がありましたが、改正法では財産目録の部分は手書きでなくてもよく、パソコン等で作成できるようになりました。
また被相続人が作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことができるようになるので、遺言書の紛失等の問題もなくなります。相続手続開始にあたり必要であった家庭裁判所での検認手続も不要となります。

 

3、遺産分割に関する改正

相続人全員の同意が必要とされる預金の払戻が、遺産分割協議成立前であっても、個人で預貯金の一部を金融機関から引き出せる仮払い制度が新設されます。 また、結婚期間20年以上の夫婦間での住居の贈与や遺贈があった場合、特別受益の対象外となり、遺産分割において相続分を算定するのに加える必要がなくなります。

 

4、遺留分に関する改正
相続人に対する生前贈与については特別受益として、期間に制限なく遺留分算定においてその価格を考慮する必要があったが、改正後は、相続開始10年以内の贈与という制限がつきます。
また遺留分減殺請求では、遺留分侵害額に相当する金銭でしか請求できなくなります。

 

5、相続の効力に関する改正

相続による権利の承継は、遺産分割および遺言の場合も含めて、法定相続分を超える部分については、登記・登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができなくなりました。

 

6、相続人以外の者の保護に関する改正

被相続人への無償の療養介護や労務があった場合、被相続人の財産の増加や維持に貢献した相続人でない親族も特別寄与者として、金銭請求が可能となります。

 

7、施行日について

自筆証書遺言の財産目録の簡素化は今年1月13日より施行されてるが、その他の改正は原則2019年7月1日より施行されます。
配偶者居住権については2020年4月1日、自筆証書遺言の法務局での保管は、2020年7月10日が施行日とされています。

 

以上の改正点についての詳細は、政府広報オンラインへ!

 

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201809/1.html