手続

1. 相続事例紹介 사례 소계

1-2 法定相続人と相続順位

 

Q.私は在日韓国人ですが、私が 亡くなった場合には韓国の法律が適用されるのでしょうか? 日本の法律と違うところはどんなところでしょうか?

A.相続は、被相続人の本国法によることになっていますので、あなたが亡くなった場合には、韓国民法が適用されることになります。

韓国民法では、配偶者・直系卑属・直系尊属・兄弟姉妹のほかに4親等内の傍系血族も法定相続人とされています。

相続の順位はつぎのとおりです。

①第1順位の法定相続人:被相続人の直系卑属

直系卑属が数人いるときには、被相続人に最も近い親等の直系卑属が先順位になり、先順位者が数人いるときには共同相続となります。たとえば、被相続人に子や孫がいる場合に、孫は相続人になりません。子が複数人いる場合には共同して相続することになります。

日本民法が「被相続人の子」としているのと異なり、「直系卑属」とされています。つまり、子が全員相続放棄したような場合には、孫が直系卑属として第一順位の相続人となります。相続開始前に既に先順位の子が死亡し、あるいは相続欠格となっていた場合に、後順位の孫が代わって相続する代襲相続とは異なります。

直系卑属であれば、実子・養子・認知された婚姻外の出生子・男女に関わらず、相続順位に差異はありません。また胎児は既に出生したものとみなされています。

②第2順位の法定相続人:被相続人の直系尊属

直系尊属は、直系卑属がいない場合に相続人となります。

直系尊属が数人いるときは、被相続人からの親等が近い者が先順位となり、同順位の直系尊属が数人いるときには共同相続となります。たとえば被相続人の父母と祖父母がともに生存していた場合には、父母が先順位となり共同相続人となります。

直系尊属であれば父系・母系・養家側・生家側を問わず、実父母と養父母がいるときは共に同順位で相続人となります。また、性別による順位の差異もありません。

③第3順位の法定相続人:被相続人の兄弟姉妹

日本民法とは異なり、兄弟姉妹は、被相続人に直系卑属・直系尊属も、配偶者もいない場合にのみ相続人となります。

兄弟姉妹には、男女・既婚・未婚・自然血族・法定血族・父系・母系を問いません。兄弟姉妹が数人の場合は、同順位で共同相続人となります。なお、兄弟姉妹の直系卑属にも代襲相続が認められています。

④第4順位の法定相続人:4親等以内の傍系血族

被相続人に直系卑属・直系尊属・兄弟姉妹、さらに配偶者もいない場合にだけ、4親等以内の傍系血族が相続人となります。性別・既婚・未婚・父系・母系を問いません。

同順位の相続人が数人いるときは、被相続人からの親等が近い者が先順位となり、同親等の者が数人いるときは共同相続となります。

⑤配偶者は常に第1順位の相続人

直系卑属や直系尊属がいる場合には、それらの者と同順位で共同相続人となります。そして、被相続人の直系卑属も直系尊属もいない場合には、配偶者が単独相続人となります。

日本民法と異なり、兄弟姉妹との共同相続とはなりません。

また、韓国民法においても、被相続人の遺言がある場合にはその遺言の内容に従って相続財産が処分されます。また、在日韓国人の場合、遺言で日本法を相続の準拠法に指定することもできます。

(参照文献:「新・韓国家族法」日本加除出版)

→ 資料見本「日韓相続法比較表」もご覧ください。